NTTデータフロンティアが最も強みを発揮するのが、
ミッションクリティカルな金融システムの開発・運用。
ここではそのプロジェクトに携わった3人の社員に登場してもらい、
金融システム開発・運用の意義や、やりがいなどについて、語り合ってもらいました。

Talk Member

M.Y

第二システム開発本部 第一開発部 第一開発担当
課長代理
キャリアデザイン学部 キャリアデザイン学科卒
2011年入社

J.M

第一システム開発本部 第一開発部 対外システム担当
主任
経済学部 経済学科卒
2016年入社

T.S

第二システム開発本部 第二開発部 第一開発担当
工学部 経営工学科卒
2018年入社

それぞれが取り組んだプロジェクトを教えてください。

J.M プロジェクト全体として言えば、大手金融機関の顧客向けおよび内部職員向けサービス全般のシステム開発を行っています。その中で私の担当は、スマートフォン向けアプリのシステム開発。元々、プラウザベースのインターネットバンキング開発を行っていましたが、昨今の時代の流れもあり、スマートフォン向けアプリ開発に参画しました。現在提供しているサービスは残高照会や入出金明細照会のみとなりますが、今後、送金機能やスマートフォンならではのQRコードを使ったATMとの連動など、機能追加を予定しています。

M.Y J.Mさんご自身はどのような役割を担っているのでしょうか?

J.M 私が担当しているシステムは、オフショア開発(中国)を行っています。顧客との仕様調整、顧客向けの設計書執筆後はオフショア先へ発注し、オフショア先が成果物をアップしたあとは、受入試験など品質保証業務を行います。その際、顧客のニーズを把握してまとめ上げ、オフショア先が円滑に開発作業をできるようにするのが、私の役割といえます。

T.S 大手金融機関が提供しているサービスだからこそ、社会に大きな影響与えるシステムといえますね。

J.M ええ、利用者数は数百万人におよびます。特にスマートフォン向けアプリは、利用者にダイレクトに提供するサービスであるため、利用者の利用シーンを想定した機能、ユーザーインターフェースを検討する必要があります。利用者に利便性や快適性を実感してもらうアプリ、それが目指すゴールです。M.Yさんの取り組みも金融機関と関連するものですね。

M.Y はい。電子債権に関するプロジェクトに参加しています。従来、商取引で発生した債権は、手形や小切手等の「紙」によって決済が行われていましたが、数年前から、「紙」に代わる「電子記録債権取引」という、新たな決済インフラの普及拡大の機運が高まっています。全国の金融機関や個人事業主が、この電子記録債権業務を実施するにあたり、必要な各種サービスを提供する共同利用型のASP(Application Service Provider)を開発・維持するのがプロジェクトの目的です。社会経済インフラの一つを支える取り組みといえると思います。

T.S 電子記録債権に関しては、当社は以前から関わってきたプロジェクトと聞いています。

M.Y ええ、私の関わっている取り組みは追加開発の移行に係るもので、私は対外調整とチームのサブリーダーを担当しています。対外調整としては、お客様が直接見る説明資料や計画書など各種ドキュメントの構成策定や執筆。サブリーダーとしては、チームメンバーをサポートし、メンバーが円滑に業務を進められる環境づくりなどに取り組んでいます。T.Sさんのプロジェクトも教えてください。

T.S 私が参画しているプロジェクトは、クレジットカード会社系システム「TokenPlatform」の更改案件です。クレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済は便利になりましたが、普及が進む一方で、セキュリティへの懸念も広がっています。その安全性向上に寄与するのが「Token」です。その仕組みは、商品やサービスを購入する際に入力するクレジットカード番号を「Token」(別な文字列)に置き換え、その後その「Token」を使ってオンライン決済などの通信を完了させるというもの。この仕組みによってクレジットカード番号が漏洩するリスクが軽減され、安全性が飛躍的に向上しました。このシステムはそのTokenを発行するための本人認証などの機能を担っています。

J.M 今進めている「TokenPlatform」の更改とは、具体的にどのような取り組みなのですか?

T.S 耐用年数が経過したハードウェアの更改と、それに伴う新規機能追加の作業を進めています。私は主に管理画面の新規機能追加について、要件定義から試験までを一貫して担当。この新しい管理機能によって、保守作業を含めた作業効率を向上させることが可能となり、より安定的・継続的なサービス提供が実現することになります。安全なキャッシュレス決済の普及拡大に寄与するプロジェクトといえると思います。

プロジェクトを遂行する上で、苦労された点を教えてください。

M.Y 決済に関わるシステムであるため、どんな状況下においても、QCD(Quality=品質、Cost=コスト、Delivery=納期)は欠かせません。現在進行形ですが、それを維持するためには、様々な所属会社(協力会社等)、考え方や能力、年齢、国籍を持ったチームメンバーをサポートし、チームワークを機能させることは大変です。そうした管理だけでなく、自分の作業と両立させることにも苦労しています。

J.M チームワークを機能させるためには、どのようなことが必要なのでしょうか?

M.Y とにかく、コミュニケーションを取ることです。進捗状況、困っていること、体調、なんでも迅速に連携・相談しやすい環境を作り、いかにメンバーが気持ちよく働けるかを最優先に考えて、サポート・行動しています。

J.M 確かにチームワークはプロジェクトを進めていく上で、とても重要な要素だと思います。私のプロジェクトも作業量が非常に多いことから、メンバーそれぞれのスキルや役割に応じてチームで分担し、チームワークを機能させることで乗り越えています。また、アプリ開発においては、単に仕様に合わせるだけでなく、日々進化する技術にも適応する必要があります。メンバーそれぞれが日々知識を吸収し、チーム内で情報共有することで、次につなげていく。その点でも、チームが同じ方向を向いて取り組む、チームワークの大切さを実感しています。

T.S 私の場合、チームリーダーが一人、案件リーダーが一人、チームメンバーが自分一人という、小規模なチームなので、チームワークという意味では極めて円滑ですね。一番大変なことは、通信先システムの仕様の違いが煩雑で、仕様の理解に時間がかかること。そのため現地を知る必要があると考え、有識者が保守作業を行う際に同行し、調査や保守に必要となる要素を教えていただきました。それによってシステム全体を理解することで、各通信先の差異の理解を深めることができたと感じています。

このプロジェクトで得られたやりがい、成長の実感を教えてください。

M.Y どのプロジェクトにも共通すると思いますが、トラブルなく無事にサービスインし、お客様が期待される結果を得られたときにやりがいを感じますね。また、今まではチームメンバーとして与えられた任務を遂行することが目標でしたが、今回のプロジェクトでは、広い視野でプロジェクトの達成を目標とし、メンバーを導く大変さと楽しさを学び、成長できたと思っています。J.MさんやT.Sさんは、エンドユーザーに提供するサービスですから、自ずとやりがいの実感も変わってきますね。

J.M おっしゃる通りで、自分が作成した機能がエンドユーザーに見える形で使われていることにやりがいを感じますね。ただ、こうしたアプリは正常に使えて当たり前で、不具合やトラブルは絶対に回避しなければなりません。正常に稼働していても、SNSなどでは辛辣なコメントもあります。それらの声も、今後の開発に反映させていくなど、前向きにとらえています。

T.S 私のサービスもエンドユーザーに直結する機能の一つなので、J.Mさんが言うように、自身が担当した案件がリリースされたときにやりがいを感じます。

M.Y T.Sさんはこの中で一番若いですが、今取り組んでいるプロジェクトは、T.Sさんのなかでどのような位置づけですか。

T.S 私は入社以来、6つのプロジェクトに参加してきましたが、いずれも開発スパンが短い小規模のものでした。今回は開発スパンも長く最も規模が大きいプロジェクトです。チームメンバーが少ないこともあって、担当する範囲が格段に広くなり、多様な知識を吸収することができています。加えて、責任と裁量が大きくなったことで、以前に比べてより能動的に取り組むようになりました。そこが、一番成長できた点だと思っています。

J.M 私のチームも少人数で構成されています。T.Sさんが言うように必然的に幅広く業務に関わるようになりました。それを通じて、広い視野で複数の案件にまたがって、俯瞰的にチームを見ることができるようになったと感じています。マネジメントという部分で、成長できたかなと思っています。

T.S 話は変わるのですが、私は今年初めてトレーニーを持ちました。先輩二人に伺いたいのですが、成長を促すためにはどのような指導が適切なのでしょうか?

M.Y 人それぞれのやり方があり、正解というのはないと思います。私がトレーナーを務めたときに心掛けていたのは、何かしらの答えを出した際に、「どうしてそう考えたか、思ったか」を聞くようにしていました。自分で考えること、それが大切だと思いますね。

J.M 同感です。私もM.Yさんと同じ対応をしていました。答えの正解が大事なのではなく、そこに至った考え方こそがより重要です。トレーナーとしては、考える時間を提供することが大切だと思いますね。

T.S とても参考になりました。ありがとうございます。

今後、挑戦したいことや、手がけてみたいプロジェクトを教えてください。

J.M 私は元々API(Application Program Interface=ソフトウェアやプログラムをつなぐインターフェース)を提供するサーバ側で開発を行ってきましたが、アプリチームに入りAPIを使う側の立場で開発を経験することができました。今後はサーバ側で、アプリチームで学んだことを活かしてAPI開発に携わっていきたいと考えています。

T.S まずは、無事にこの更改案件をリリースしたいと考えています。今回のプロジェクトの特徴の一つに、クラウドサービスの一つであるAWS(Amazon Web Service)へ移行したことが挙げられます。ただ、それに合わせたアプリケーションの変更は特に行いませんでした。私にとっては不完全燃焼な部分。だから今後、クラウドで使われることを前提とした、クラウドネイティブな開発にもチャレンジしたいと思っています。

M.Y 私は長く金融分野に携わってきました。この間培ってきた知見を活かせる新しいプロジェクトに挑戦したいと思っています。日々、金融分野に求められるシステム化のニーズや品質は進化・深化しています。スピード感を持って新しい提案をできる分野で力を発揮したい。また、金融ITからの切り口で、社会的課題な解決に資するような取り組みにも挑戦していきたいと思っています。